インタビュー:バオバブの会

今回は、2016横浜国際フォーラム(2016年2月6日~7日@横浜)にてバオバブの会、代表のディウフ・マサンバさんにインタビューを行いました。
                                                  
マサンバさんからのメッセージ:

団体情報:

団体名 バオバブの会
活動 セネガルにおける教育の支援
活動創始 2008年
ホームページ http://the-baobab.org/
★★

インタビューの様子自己紹介をお願いします。

ディウフ・マサンバと申します。西アフリカのセネガル出身です。バオバブの会の代表を務めています。日本に来て25年です。普段はフランス語の教師として仕事をする一方で、セネガルの教育を支援しているバオバブの会の代表も勤めている次第です。

 

フランス語は中学校や高校で教えているのですか?

語学学校のフランス語部で教えております。生徒はだいたい大人の方です。

バオバブの会の活動内容に関して簡単に教えてください。

バオバブの会は16年前に活動を開始しました。当初は家内と一緒に個人で活動を開始しました。その中で周囲の人たちの力を借りながら活動を進めてきて任意団体にしたのは2008年のことです。活動内容はいろんなイベントに参加したり、たとえば毎年参加していますよこはま国際フェスタや、時には自分たちでイベントを主催して、そこで得た収益をセネガルの、特に田舎の学校に寄付しています。

セネガルの学校には教室や、文房具、トイレ等の設備が不足しているところが多く、そのようなニーズに対して資金的な支援活動をしています。

バオバブの会の現地スタッフは首都にいます。その人が学校の教師や運営者にコミュニケーションをとり、日本のバオバブの会から送金した支援金を学校等に渡したり、援助後のトイレや教室の写真撮影をして日本にレポートしてくれます。また現地のニーズや意見を聴いてくれたりします。

インタビューの様子またセネガルの子どもたちと日本の子どもたちが交流できるような場を提供する活動もしています。今取り組んでいるプロジェクトは、日本の学校で行なわれている「運動会」をセネガルの学校に紹介して取り入れるプロジェクトです。これは私がしばらく前から考えていたアイデアです。日本の学校の運動会はとても社会的で地域づくりに良いものです。子どもたちの教育にもとても大切な要素があると考えています。このような要素や日本の文化をセネガルの人たちにも知ってもらうことが良い方向になると思っています。横浜の教育委員会の許可を頂いて横浜のある小学校の運動会の撮影をしました。現地のいくつかの小学校では既に関心があり、詳しく知りたいと申し出を頂いています。

もう一つのプロジェクトは、私たちの支援を同一の学校に対していつまで継続すべきかを定義することです。同じ学校に対して継続的に資金援助を実施するのではなく、現地の学校が自立して運用できるような支援方法を模索しています。

現在支援しているある2カ所の学校では土地がとても広いため、フェンスを設置して農作物を作り、それを販売することで自立できるのではと話し合いをしています。こちらも実現に向けて現在活動中です。

支援を受ける側にも、資金がどこから得られているか考えてほしいと思っています。世界ではタダで買えるものはありません。今日本で私たちは努力して資金を得ています。それを将来還す方法を考えてほしいと思っています。自分が大きくなったら目を開いて世界の人たちに目を向けて、宗教に関係なく肌の色も関係なく、ニーズがあるところ、困った人がいるところで自分に何が出来るか考えてほしいと思っています。自分が困っている時に助けてもらって、誰かが困っている今、それを還すチャンスだと思ってほしい。そう願って活動をしています。

支援をしているセネガルの学校の多くは公立の学校ですので、子どもたちから授業料をもらうことができません。そのため、学校の運営資金が微弱なので、資金源を確保しないと、ある日突然バオバブの会の支援活動がストップしてしまった場合に大変ですので、どうすべきか話し合っています。現地の人たちに問いかけた際に彼らから出てきたアイデアの一つが広い土地を利用して農園をやることでした。

私たちの活動目標はあくまで現地の学校が自立出来るように支援することです。

支援が必要な学校はまだたくさんあるので、一つの学校をずっと支援するのではなく、私たちが出来ることも限られているので、その支援を出来るだけ多くの学校に提供できればと思っています。

いままでいくつの学校を支援されていたのですか?

今現在、11校を支援中です。

私たちの活動は子どもたちのみならず、現地の女性の力にもなっていると思います。ある女性グループがアフリカの布でバッグ等を作って観光地等で販売していますが、私たちも2009年からそれを日本に輸入して、フェスタ等で販売するようになりました。そこから得た収益を現地の学校に還元しているので一石二鳥です。

また障がい児たちへの活動もあります。障がい児たちは教育を受けられる機会が少ないです。現地ではある地域の小学校の教師たちがある団体を設立しました。地域の子どもたちの親・保護者たちに対して、子どもたちに障がいがあっても、脳に障がいがあっても、教育は受けられること、学校に来られることを伝える為の団体です。

啓蒙活動をする際は、有志を集める必要があります。セネガルではそういった人たちを集めることが難しいです。そのため私たちは、すでに有志が集まっている団体(先ほど申し上げた障がい児支援団体)を支援しているのです。その団体は私たちからの支援金を使って文房具やリュックサックを購入して、すでに学校に通っている障がいを持った子どもたちに配っています。そうすることで、その活動を目にした、まだ学校に通っていない障がいのある子どもを持った親たちに、自分の子どもたちも教育を受けられるのだと知ってもらうことができます。

障がいのある子どもたちをサポートする為に松葉杖や、車いすを提供したこともあります。

活動をしていてよかったこと、大変だったなと思うことは何ですか?

良かったと思ったことは、一番最初に活動をスタートした時でした。一番最初に支援した学校では、学年が始まる時に全ての生徒たちに必要な教科書、ノート、鉛筆等一式を配布しました。次の年、新しく入学した子どもたちの数が増えました。校長先生に理由を訊いたところ、学校に子どもたちを行かせてあげたいと考えているけれど、必要な文房具や教材を買える自信が無い親たちが、私たちの日本からの支援を知って、学校に子どもたちを送り出すようになったとのことでした。毎年学校が始まる数日前に教師たちが町を回って子どもたちを登校させるよう知らせてあげても、毎年生徒の数がなかなか増えなかった中、これをきっかけに一気に増えたことがとても嬉しかったです。その後その学校には16年間支援をしてきました。

セネガルでは6年生になると中学に入学するための全国統一の試験があります。必要な教材や文房具が不足している環境では、毎日頑張って何キロも歩いて通っている生徒もいるのですが、その試験に受かる生徒の数は30人中、5、6人ととても少ないです。しかし私たちが支援したこの学校では試験に合格した生徒の数が一気に増えました。結果が目に見えてとても嬉しかったです。

大変なことは自分自身の仕事です。自分が生活するためには仕事をする必要があります。余った時間にこの活動に充てようと思いましたが、途端に自分のための時間が無くなってしまいました。時々寝不足です。イベントの準備をしたり遠距離の移動をしたり、今回のよこはま国際フォーラムのような講演も、随分前から空いた時間を利用しながらスライドを作ったり準備をしました。今日も寝不足です(笑)。その辺が一番大変です。でも少しでも役に立つことが出来れば、頑張る価値はあると思って日々活動をしています。

ありがとうござました!

バオバブの会ホームページ
http://the-baobab.org/

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